みなさんこんにちは
ドラムの山口です。10連休いかがお過ごしでしょうか?
私は3連休くらいです。リラックスして物思いにふけっております。
さて、本日は前回に書いていた内容の防音についてのコラムです。
もし自宅に音楽スタジオを作るとか防音して楽器を練習するとか、何かしら防音室を自宅など建物内に設けることになったとき、自らDIYで工事するにせよ業者に発注するにせよ知っておくべき知識を少しずつ書いていこうと思います。出来るだけ分かりやすく。
基本的な知識があるかどうかで、施工業者がちゃんとノウハウを持っているのかどうかということぐらいは見抜けます。実際にダメな工事をされて防音効果のないものが出来上がってしまうとえらい面倒なことになってしまいますので。
ではまず、第1に、、、、確認ですが、、、、
防音とは一体どういうことなのか?
みなさんちゃんと説明できますでしょうか?
ちゃんとした定義としていいますと、
「騒音が室内に入るのを防いだり、騒音が室外にもれるのを防ぐこと。遮音と吸音を併せていう語。」
と言った言葉がweb上では検索できます。
読んで言葉の通りですが、
●空港とか高速道路の近くに住んでて、騒音がすごいので家の中で外の音が聞こえないように工事する
●自宅で大きな音を出すので屋外に音が漏れないように工事をする
上記の2つは種類が違いますがどちらも防音工事です。
音楽スタジオの防音に関しては後者の方になります。前者の防音の場合はサッシを二重にするとかいった方法である程度効果を期待できますが、後者はそうはいきません。特にドラムの音を防音する場合には。
それがなぜかということと、防音に関する基礎的なところを解説していきましょう。
防音のことを質問して来られる方が共通してよく言うことがあります。
「学校の音楽室の壁とか天井に貼ってある穴の空いたボートとかを貼れば防音できるんですよね?」 とか
「壁の石膏ボードを二重とかにすれば大丈夫ですよね?」とか
はっきり言って、、、、、
そんなことで音が外に聞こえなくなるわけないですよ、まじで
特に、穴の空いたボード、、、これは有孔ボードって材料ですが、こんなのを貼っただけで外に音が聞こえないようにできるなら誰でもできることです。
で、少し知識のある人が
「壁に鉛のシートを貼れば大丈夫ですよね?」 って聞いてきます
確かに少し効果はありますが、それで十分だと思うのは間違い。特にカラオケ屋さんの防音工事を手がけてますとかいう人がよく言うことです。こういう人にスタジオの防音工事を任せると結構悲惨なことになります。
これらがなぜ間違った防音なのかを知るために、まずは遮音と吸音について知っておきましょう。
まずは遮音
遮音とは字の通り音を遮断することです。図で言うとこんな感じ
(絵:山口リュウシロウ)
分かりにくいかもしれませんが左側が屋内で楽器を演奏する人、真ん中の壁を挟んで右側が屋外にいる人です。
屋内でドラムなどを演奏して大きな音を出していても、外にいる人がその音に気がつかない状態。これが完璧に遮音できている状態です。
壁によって音をストップさせることに成功しているということです。
さらに図で言うとこんなかんじです。
それでは吸音とは
字から言うと、音を吸う、、、、
図で示すとこうです
(絵:山口リュウシロウ)
音は空気の振動なので、壁の材料が硬い素材だったりすると反響します。音がずっと反響してる状態になるとそれはそれは耳がしんどい状態になっていきます。なので、心地よく演奏できる環境にするためには音の跳ね返りをコントロールする必要が出てきます。音が跳ね返らないようにするこの作業を吸音と言います。
どうでしょう?吸音と遮音
お分かりいただけましたでしょうか?
ここで少し戻ってみましょう。
「学校の音楽室の壁とか天井に貼ってある穴の空いたボートとかを貼れば防音できるんですよね?」
これはなぜ間違いなのか
穴の空いたボード、有孔ボードは吸音材です。音の跳ね返りを少なくする材料。これを壁や天井に貼ることによって聞こえる音はぐわんぐわんと反響したりすることはなくなってきます。
しかし!
吸音材には遮音する性能はありません!!!
部屋の中で聞こえる音が反響しない感じ(デッドな環境と言います)になると、音自体が小さくなったように感じるので防音できたと錯覚してしまいますが、有孔ボードを貼っただけでは音は外にたくさん漏れてしまっています、間違いなく。
遮音してないんだから当たり前。
では、
「壁の石膏ボードを二重とかにすれば大丈夫ですよね?」
「壁に鉛のシートを貼れば大丈夫ですよね?」
もなぜ間違いなのか、、、。
あながち間違ってはいないとも言えますが、それだけでは確実に不十分なのです。
アドバイスできるとしたら「そんなもんで音が止まると思うな」と言ったところでしょうか。特に石膏ボードを二重に増打ちしたところで遮音性能の上がり方はたかが知れてます。
じゃあ鉛のシートは?ってなったところでこれも正直なところ、それだけではちょっとしか期待できないでしょう。
ではどうしたら音が止まるのか、、、、。
と考えるためには音についてもう少し知る必要があります。
結構長くなってきましたので、その辺はまた次回に。
ではではみなさまごきげんよう
防音に関する記事
「防音とか その1」
「防音とか その3 音について」
「防音とか その4 音を止めるということ」
「防音とか その5 業者さんとのやりとり」